冥黒の三姉妹の妄想二次創作物語4作目を更新します。
冥黒の三姉妹の末妹 ラケシス 彼女は何故冥黒服を着替えないのか?と言う疑問から考えたストーリーです。
Xにて2024/7/31から3日かけてPOSTしたのと同じ内容を4回に分けて更新します。
#特撮二次創作 #全年齢対象
明るい、でも何も見えない誰の気配も感じない霧の中をラケシスは彷徨っていた。
「ここは何処かしら?森?何も見えない、でも・・知ってる場所のような気がしますわ・・」
ラケシスは朦朧とした浮遊感を感じながら
かろうじて見える僅かな地面を頼りに彷徨い続けた。
するとふいに暗闇に包まれた。そして
目の前の彼方から光が差し2つの見慣れたシルエットが現れ、聞き慣れた声が響いた。
「ラケシス、ようやく見つけた。そこで何をしている、さあ行くぞ」
逆光で顔は見えなかったが、その声は間違い無くクロトーだった。
もうひとつの小さなシルエットは当然アトロポスだ。
いつものようにこちらを睨んでいる視線を感じた。
ラケシスはこの二人だけだと身長差がより一層際立つわね。と感じていた。それは自分が居ない事への感慨だが、この時はその事に思い至らなかった。
アトロポスはいつものように冷淡に「二人共行くよ」と言って振り返り、クロトーもそれに続いた。
そんな二人の後ろ姿を見てラケシスはしばらく感じていなかった安心感に満たされていた。
あぁ、いつもそうでしたわ、いつもこの背中を見てきましたわ。黙ってついて行けばどんな時も怖く無かった。考える必要も無く、何の不安もありませんでしたわ・・。
その時急に周囲が明るくなり目の前の風景が明らかになった。
ラケシスの目の前には断崖が広がっていた。でも先を進む2人は何も無い筈の場所を幻のように光に向かって進み続けていた。
「どうしたラケシス、早く来い!」
クロトーの厳しい声が響く
「行けませんわ、無理ですわ!」
「クロトー!アトロポス!待って!置いていかないで!」
ラケシスの声が虚しく響く
「待って!私を許して!」
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「ラケシス!ラケシス!ラケちゃん!大丈夫か!しっかりしろ!」
ラケシスは誰が自分を呼んでいるの分からなかった。
つづく
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